ぬか漬けは塩もみして漬ける?

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こんにちは、めしラボです。

ぬか漬けの作り方はシンプルです。新鮮な野菜を軽く洗って水けをきってからぬか床に漬けます。しかし野菜の種類によっては青臭みや苦味などが気になる場合もありますので、そのような野菜には塩もみなどをしてから漬けることになります。

ちょっとしたひと手間ですがぬか漬けの仕上がりは大きく変わります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 苦味やえぐみのある野菜をぬか漬けにしたい。
  • ぬか漬けの青臭みが気になる。
  • すぐにぬか床が水っぽくなってしまう。

ぬか漬けにする野菜は塩もみをすることがあります。

塩もみや板ずりをしてから漬けることにより「青臭みが抜ける」「漬かりが良くなる(味が入りやすくなる)」「色止めになる」「余分な水分が抜けてぬか床が水っぽくなるのを防げる」などの効果が得られるためです。

野菜の種類や漬け時間を考慮して取り入れられるテクニックです。

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塩もみや板ずりのやり方は?

塩もみや板ずりのやり方です。

塩もみは「アクの強い野菜」「水分の多い野菜」「色止めをしたい野菜」「早く漬けたい場合」などに用いられるテクニックです。具体的には蕪の葉や大根の葉、ナスや細牛蒡(太い牛蒡は茹でてから漬けます)などがあります。

味付けをするわけではありませんので塩分量は目分量でもOKです。

  1. 野菜に2~3%の塩をふります

  2. 塩をすり込んで水を出します

  3. 絞って水分とアクを抜きます

  4. 普段よりも短めに漬けます

しかし必ずしも必要な工程ではありません。

近年の野菜にはアクが少なくなっています。これには品種改良や土壌改良によりアクの少ない野菜が増えてきているためです。また本来の旬とは異なる季節に出荷されている野菜の場合、野菜の味自体が薄くなってきているということもあります。

このことからも塩もみの必要性は高くありません。

漬かりが良くなる理由は?

塩もみをすると漬かりが良くなります。

野菜が漬かるのは浸透圧によって水分が浸出するためです。植物の細胞膜は半透性のために細胞内よりも高い濃度に接すると水分が細胞外へと浸出するために脱水されます。さらには原形質分離を起こしてしんなりした状態になります。

これこそが漬かるということです。

野菜に塩をふると半透膜の性質により水分が浸出します。さらにもんだり転がしたりすることにより原形質分離(細胞壁と細胞膜が分離する現象)が起こりやすくなり半透膜の性質は失われていきます。

しかし傷ついた細胞は拡散により成分の移動が起こりやすくなるために漬かりやすく(野菜が短時間で漬かるように)なります。

【補足説明】あら塩を使うと歯切れがよくなります。これは細胞間膜のペクチンが食塩中のカルシウムやマグネシウムと結合して細胞内の結合力を強めるためです。また次項で説明する「色止め効果」に対してもあら塩(にがりを含む食塩)が効果的です。

色止め効果の仕組みは?

塩もみには色止め効果があります。

野菜の色にはクロロフィル、カロテノイド、フラボノイド、アントシアニンなどの色素が関係しています。たとえば葉物野菜の緑色はクロロフィルの色、人参の赤色はカロテノイドの色、ナスの紫色はアントシアニンの色です。

ぬか漬けで注目するべきはクロロフィルとアントシアニンです。

クロロフィルとアントシアニンはぬか床の酸(pH4.5)により変色します。葉物野菜の緑色(クロロフィル)は酸に触れるとフェオフィチンに変化して茶色くなり、ナスの紫色(アントシアニン)は酸に触れると赤系統に変色します。

そこで塩もみをします。

クロロフィルやアントシアニン(ナスニン)には分子の一部が金属イオンと部分的に置き換えられることで安定した形になり変色しにくくなるという特徴があります。そのためあら塩を使って塩もみをしておくことにより変色しにくくなります。

鉄玉子やミョウバンよりも手軽ですのでおすすめできます。

まとめ・ぬか漬けは塩もみして漬ける?

塩もみはぬか漬けの基本テクニックです。

ぬか漬け野菜は塩もみしてから漬けることにより「青臭みが抜ける」「漬かりが良くなる(短時間で漬かるようになる)」「色止めになる」「ぬか床が水っぽくなりにくくなる」などのメリットが得られます。

必ずしも必要な作業ではありませんが、野菜の特徴や仕上がりのイメージにより使われることの多いテクニックです。

※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。