ぬか漬けの味が薄い?

ぬか漬けが漬かる時間は温度に左右されます。

これは温度の低下に伴い「浸透圧が低下する」「分子やイオンの動きが遅くなる」という変化が起こるためです。そのために冷蔵庫で管理されているぬか床では「ぬか漬けの味が薄い」「漬かりが悪い」「美味しくない」などの問題が起こりやすくなります。

ぬか漬けの味が薄いのは温度が低すぎる可能性があります。また塩味があっても味が薄い場合にはぬか床の発酵不足を疑う必要があります。

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ぬか漬けの味とは?

ぬか漬けの味とは?

ぬか漬けには米ぬかを発酵させたぬか床を用います。

ぬか床には「米ぬかの風味」「6~8%の塩分」「微生物(乳酸菌など)により形成された風味」などがありますので、ぬか床に漬けられた野菜には適度な塩味と発酵漬物特有の風味が付与されることになります。

材料(米ぬかや塩など)の質が重視されるのはこのためです。

材料働き
米ぬか風味と微生物により分解されて各種成分になる
食塩野菜を塩殺しの状態にして適度な塩味を付与する
微生物米ぬかや野菜を分解して風味成分を生成する

ぬか漬けの味は同じにはなりません。

米ぬかの味はぬか漬けの味のベースになりますし、食塩の味(ミネラル分の有無など)はぬか漬けの塩味や食感に影響します。また微生物の種類が変われば生成される成分も変わりますのでぬか漬けの味が変わります。

材料がシンプルであるからこそ質が重視されます。

漬け物が漬かる仕組みは?

漬け物が漬かる仕組みは?

野菜は食塩により漬かります。

野菜の細胞は細胞壁と細胞膜から成り立っています。細胞の周りに濃度の高い食塩水があると浸透圧の作用により水分が外側に浸出します。これは細胞膜には半透膜(一定の大きさ以下の分子またはイオンのみを透過させる性質)の性質があるためです。

さらには原形質分離(細胞壁と細胞膜が分離する現象)を起こします。

これらの変化が「漬かる」ということであり、塩殺しとも呼ばれています。食塩は細胞壁を通して細胞の内部に入りますので適度な塩味が付与されます。また酵素作用により自己分解が起こることからも野菜特有の青臭さが消失します。

さらには微生物による風味が付与されて複雑な味になります。

ぬか床に適した温度は?

ぬか床に適した温度は?

ぬか床には20℃前後の温度が適しています。

これは25℃を大きく上回る温度では「漬かりすぎる」「微生物による風味成分が強くなりすぎる」などの問題が起こりやすく、15℃を大きく下回る温度では「漬かりにくくなる」「微生物による風味成分が弱くなる」などの問題が起こりやすくなるためです。

たとえば冬はぬか漬けの味が薄くなりがちです。

これは温度の低下に伴い「浸透圧が低下する」「分子やイオンの動きが遅くなる」という変化が起こるためです。さらにはぬか床に生育している微生物(L.plantarumやL.brevisなど)の生育が鈍るためにぬか漬けの味も物足りないものになります。

このことからもぬか床は常温(20℃前後)で管理するのが基本になります。

【まとめ】ぬか漬けの味が薄い?

ぬか漬けの味が薄いと感じられる場合には「ぬか床の管理温度(20℃)」「ぬか床の塩分濃度(6~8%)」「ぬか床の熟成具合(pH4.5)」の確認が必要です。管理温度が低すぎると「浸透圧が低下する」「分子やイオンの動きが遅くなる」などの理由から漬かりが悪くなります。pHに関してはヨーグルトの酸味と同程度にすることがポイントになります。