鉄フライパンをやめたい?

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こんにちは、めしラボです。

鉄フライパンの扱い方はノンスティックフライパン(フッ素樹脂加工されているフライパン)とは異なります。また得意とする料理も異なることからも「鉄フライパンは扱いにくいのでノンスティックフライパンに買い替えたい」と考える方も少なくありません。

当ブログでは「使い分ける」ことをおすすめしています。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 扱いにくい鉄フライパンをやめたい。
  • ノンスティックフライパンに買い替えようと思っている。
  • 使わない鉄フライパンを捨てようと思っている。

鉄フライパンをやめる必要はありません。

鉄フライパンは優れた調理道具ですが、ノンスティックフライパンと比べると「扱いが難しい」「専門性が高い」「重くて疲れる」「油汚れが汚らしい」などのデメリットが生じやすいことも事実です。そのためノンスティックフライパンを鉄フライパンに買い替えることはおすすめしません。

フライパンには素材による得意とする料理と不得意とする料理がありますので、どちらか一方を選ぶのではなく使い分けることをおすすめします。

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食材がくっつかないようにするには?

鉄フライパンは食材がくっつきやすい調理道具です。

これは鉄フライパンにはノンスティックフライパンのような樹脂加工が施されてないためであり、樹脂加工の代わりに油膜(油の酸化重合による樹脂皮膜)により油切れを防いでいます。このことからも使い方を間違えてしまうと「食材くっついてしまって調理にならない」ということも起こりえます。

ポイントとなるのが温度と油膜の管理です。

  1. 鉄フライパンを温めてから油を引く

  2. 適温になってから調理をはじめる

  3. 調理が終わったら熱を利用して洗う

  4. コンロで乾燥させてから片づける

鉄フライパンは油切れにより食材がくっつきやすくなります。

油切れを防ぐためには「フライパンを温めてから油を引くこと」「油膜を強固なものにしておくこと」「適温で調理すること」などがポイントになります。これにより鉄フライパンの金属面と食材が直接触れにくくなるためにくっつきにくくなります。

以下のような理由からです。

温めてから油を引く吸着水が蒸発するために油なじみが良くなる
油膜を強固なものにするくず野菜などを炒めると油膜が形成されやすい
適温で調理するフライパンでの調理温度は175~225℃前後になる

「鉄フライパン=高温調理」ではありません。

鉄フライパンは熱容量の大きな調理道具ですので一般的なフライパンよりも多くの熱を蓄えます。しかし実際の調理温度は普通のフライパンと同じ(175~225℃前後)であり、鉄フライパンだから高温調理ができるというのは間違いです。

熱容量が大きいということは「温度変化が少ない」ということになります。

熱容量の違いが鉄フライパンの使いにくさにつながっていることもあります。たとえば女性が使用する場合などでは「板厚が薄く軽い鉄フライパン」を選ぶことが多いかと思いますが、板厚が薄いということは熱容量が小さくなるということでもありますので温度変化は大きくなります。

そのため軽いフライパンは炒め物向きで、重いフライパンは焼き物向きになります。

焦げるのは鉄のメリット?

鉄フライパンは焼き色を付けやすい調理道具です。

これは鉄フライパンが一般的なフライパンと比べて熱容量が大きい傾向にあるためであり、食材を乗せても温度が下がりにくいことにより「焼き色がつきやすい」「加熱時間が長引かないために料理の仕上がりが良くなる」などのメリットが得られます。

そのためステーキなどには熱容量の高い鉄フライパンやスキレットが重宝されます。

焼き色は料理のおいしさに深く関与しています。料理の焼き色はメイラード反応(アミノ-カルボニル反応)と呼ばれる褐変反応によるものですが、メイラード反応が起こることにより褐変反応と香気成分の生成が促進されます。

そのため焼き色のついた料理には食欲をそそる香りが付与されます。

ちなみに「鉄フライパンは焦げやすい」というのは調理温度に問題があるためです。メイラード反応には温度が高いほどに速く進む性質があり、10℃上昇するごとに3~5倍になると言われています。そのためフライパンの温度が高すぎると調理は失敗します。

慣れないうちは非接触型の温度計などを利用すると便利です。

【補足説明】油臭くなるというのも誤解のひとつです。鉄フライパンは空のまま熱することが多いために高温にしすぎてしまうと油脂が分解されて発煙してしまいます。しかし実際の調理は一般的なフライパンと同様の温度帯(175~225℃前後)を使用しますので「鉄フライパンだから油臭くなる」というわけではありません。多くの場合、単なる熱し過ぎです。

他の素材との使い分けについて

鉄フライパンは万能ではありません。

鉄フライパンは焼き色を付ける料理(メイラード反応を起こしたい料理)には向いていますが、焼き色を付けたくない料理(パスタやクリームなど)には向いていません。そのためノンスティックフライパンやアルミフライパンとの併用が基本になります。

このことからも「テフロン加工のフライパンを捨てて鉄フライパンを購入する」というのは間違いです。

ノンスティックフライパン汎用性の高いフライパン
鉄フライパン焼き色を付けやすいフライパン
アルミフライパン熱ムラができにくく温度管理をしやすいフライパン

また水素イオン指数(pH)の偏った調理には向きません。

酸性の強い料理(トマト料理など)は「鉄の表面が溶かされてしまう(イオン化されてしまう)」ためにおすすめできませんし、アルカリ性の強い料理(海藻やこんにゃく料理など)は「油膜(樹脂皮膜)が除去されてしまう」ためにおすすめできません。

これらの調理をしてしまうと鉄フライパンが使いにくくなります。

まとめ・鉄フライパンを使うのをやめたい?

鉄フライパンとノンスティックフライパンは使い分けることをおすすめします。

鉄フライパンはおすすめできる調理道具です。しかしノンスティックフライパンほどの汎用性はありませんので鉄フライパンだけですべての調理をこなそうとすることには無理があります。またトマトや海藻類などのように苦手とする食材もあります。

このことからも鉄フライパンやノンスティックフライパンは使い分けることをおすすめします。

おすすめの関連アイテム

  • 鉄フライパン
  • ブラシなど
    1. no-image

      厚板フライパン 極(リバーライト)

      材質:
      鉄(特殊熱処理)
      板厚:
      3.2mm
      重量:
      0.83kg

      リバーライトの厚板タイプです。

      特殊熱処理(窒化処理)が施されていることに加え「3.2mmの厚板仕様になっている(通常タイプは1.6mm)」「木製のハンドルが採用されている」などの特徴があります。これにより「耐摩耗性や耐食性に優れる」「酸化皮膜を形成させる必要がない」「熱容量が高いことにより料理の仕上がりが良くなる」「ハンドルが熱くならない」などのメリットが得られます。

      管理人のレビュー

      特殊熱加工が施されていることに加え「一般家庭の台所においても違和感のないデザイン」が気になっています。現在使用している鉄フライパンはデバイヤーですが、機会があれば使いたい(切り替えたい)と考えています。

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    2. no-image

      IH対応鉄フライパン(デバイヤー)

      材質:
      板厚:
      2.5mm
      重量:
      1.38kg

      デバイヤーの定番鉄フライパンです。

      盛り付けをしやすいハンドル角度とデザインの良さが魅力の鉄フライパンです。高品質な厚板の鉄が使われていることもあり、安価な鉄フライパンと比べると格段に使いやすい(食材がくっつきにくくサビにくい)仕様になっています。

      管理人のレビュー

      デザインの良さが気に入って使っています。しかしデバイヤーの特徴ともいえるハンドル角度には「蓋が干渉してしまう」というデメリットもあります。お使いの蓋の流用を考えている場合には注意が必要です。

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    3. no-image

      打出し 鉄 フライパン(山田工業所)

      材質:
      鉄(打ち出し)
      板厚:
      2.3mm
      重量:
      1.25kg

      山田工業所の定番フライパンです。

      通常の鉄フライパンはプレス(圧力を加えて成型する方法)などで作られていますが、山田工業所の鉄フライパンは打ち出し(たたいて成形する方法)で作られています。これにより鉄の分子が詰まり、硬く粘りのある性質を持つようになります。

      管理人のレビュー

      機能性を重視するのであれば山田工業所の打出し鉄フライパン一択かと思います。事実、多くの飲食店では山田工業所の鉄フライパンや中華鍋が好まれています。デザインが好みで台所の印象と合うのであれば心からおすすめできます。

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    1. no-image

      竹ささら(遠藤商事)

      材質:
      長さ:
      235mm
      重量:
      105g

      中華鍋に用いられることの多い竹ブラシです。

      家庭での鉄フライパンの洗浄には少し長めに感じられるかもしれませんが、熱を持ったまま洗うことの多い鉄フライパンの洗浄では少し長めくらいの方が使いやすいです。気兼ねなく使える価格帯であることからもおすすめできます。

      管理人のレビュー

      一般的な竹ささらです。そのままでは硬く洗いにくいことからも「10分ほど煮る」「束ねられている部分に瞬間接着剤をしみ込ませる」「先端を剪定鋏などで斜めにカットする」などをして扱いやすくすることをおすすめします。

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    2. no-image

      フライパン洗い ブラシ(マーナ)

      材質:
      馬毛
      長さ:
      25cm
      重量:
      80g

      柔らかい馬毛のブラシです。

      馬毛は耐熱・耐薬品性に優れているため、表面を傷つけることなく優しく洗い上げることができます。鉄フライパンを洗うには心もとなく感じられるかもしれませんが、ある程度育っているフライパンに洗剤を付けて洗う場合にはおすすめできます。

      管理人のレビュー

      鉄フライパンの扱いに慣れていない場合には竹ささらをおすすめします。しかしほとんど焦げ付かせることがなく育ってきた油膜を傷つけないように洗いたい場合などには重宝します。ある程度の油慣れをしているフライパンであれば洗剤で洗っても問題ありません。

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    3. サンプル

      超強力マグネットフック(Sendida)

      材質:
      ステンレス鋼
      耐荷重(垂直方向):
      10kg
      耐荷重(水平方向):
      7kg

      強力なマグネットフックです。

      フック部分の回転する強力マグネットフックですので、溝やつなぎ目の少ないタイプのレンジフードでも鉄フライパンなどを吊るす(かける)ことができます。耐荷重は「垂直方向10kg」「水平方向7kg」ですので厚板の鉄フライパンであっても安心です。

      管理人のレビュー

      レンジフードには溝のあるタイプ(ブーツ型)と溝のないタイプ(スリム型)の2種類があります。ブーツ型の場合は溝に掛けるタイプのフックを使えますが、スリム型の場合には超強力なマグネットタイプのフックがおすすめです。

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