鉄フライパンの使い方は?

鉄フライパンは温度管理がポイントになります。

鉄フライパンは強火での調理が可能です。一般的にフッ素樹脂のフライパンは260℃ほどで表面加工がだめになりますが、鉄フライパンは1000℃まで熱しても大丈夫です。もちろん油膜は焼き切れてしまいますが、油膜を作るのは難しくありません。

これらのことからも正しい使い方を覚えれば心強い相棒になります。

熱してから油を入れる理由は?

鉄フライパンは熱してから油を入れます。

一般的なフライパン(フッ素樹脂のフライパン)は熱する前に油を入れて温度の低いうちから調理を始めるのがセオリーとなっていますが、鉄フライパンは熱してから油を入れなければ食材がくっつきやすくなります。

これは、吸着水の影響で油なじみが悪くなるためです。

具体的には薄煙が上がるまで熱してから油を入れます。鉄フライパンに残っている油の発煙点は200~250℃ほどになります。吸着水は200~230℃ほどで飛ばすことができますので油の煙を目安にしていれば間違いありません。

また、熱したフライパンに食材を入れることで表面を焼き固めることができます。

食材を入れたら火を弱める理由は?

食材を入れたら火を弱めます。

なんとなく「鉄フライパンなのだから強火で調理した方が良いのでは?」と思ってしまうものですが、鉄フライパンはフッ素樹脂加工のフライパンと比べて熱容量(比熱×質量)が高いために火を弱めなければ焦げてしまいます。

食材にもよりますが火を弱めた方が良い結果につながることが多くなります。

また、鉄フライパンやスキレットなどの熱容量の大きな調理道具は火加減と実際の温度とのタイムラグが大きくなりますので数分後の状態をイメージしながら調理することがポイントになります。

パスタやソース作りに適しているアルミのフライパンとは反対の特徴を持っています。

しばらくは食材を動かさない理由は?

鉄フライパンは食材の表面を焼き固めてから動かすようにします。

鉄フライパンにくっつきやすいのは肉や魚などの動物性たんぱく質です。肉形質たんぱく質の球状たんぱく質は熱凝固する過程で一時的にその構造を緩ませます。緩んだ球状たんぱく質からは活性基が露出するために金属面と張り付いてしまいます。

そこで、高温に熱したフライパンにのせて瞬時に焼き固めてしまいます。

熱変性したたんぱく質は金属面に接していても張り付きにくくなりますので、フライパンで肉や魚を焼く場合には「しばらくは食材を動かさずに表面を焼き固める」ことがポイントになります。

フライパンの温度が低すぎる(または熱容量が小さい)と表面が焼き固まる前に金属面との凝着が起きてしまいますので注意が必要です。

調理後はすぐに洗う理由は?

調理後の鉄フライパンは速やかに洗います。

調理後の熱を持った状態であれば多少の焦げ付きがあっても簡単に落ちます。料理の塩分や水素イオン指数(酸性やアルカリ性など)の偏りによる金属の腐食や油膜の剥離のリスクを最小限に抑えることにもつながります。

汚れが気になる場合には洗剤を使ってください。

基本的に鉄フライパンには洗剤を使わずに洗うことが推奨されていますが、竹ささらやたわしを使った物理的な洗浄では汚れを落としきれないことがあります。汚れは金属の腐食につながりますので気になる場合には洗剤を使うことをおすすめします。

私は(複数回使う場合には)一日の最後に洗剤を使うようにしています。

洗ったら火にかけて乾燥させる理由は?

洗った鉄フライパンは火にかけて乾かします。

布巾で拭いただけでは錆びてしまう可能性がありますので熱することで完全に乾かします。鉄は(フッ素樹脂加工のフライパンと比べて)熱容量の大きな素材ですのでコンロの上において粗熱が取れてから片付けるようにします。

すぐに片づけたい場合には吊るす収納がおすすめです。

油は塗っても塗らなくても大丈夫ですが、積極的に油膜を育てていきたい場合には発煙点付近まで熱した後に乾性油(ハイリノールタイプのひまわり油など)を塗りこんでおくことで油膜を厚くすることができます。

熱しながら行うシーズニング(油ならし)よりもきれいな油膜ができます。

【まとめ】鉄フライパンの使い方は?

鉄フライパンの使い方は温度管理がポイントになります。フッ素樹脂加工のフライパンとは根本的に異なる使い方になりますので注意が必要です。特に肉や魚などの動物性たんぱく質の食材は強い付着力を有していますので高温で表面を焼き固めてから火を通していくようなイメージを持つことが大切です。