プリンが固まらない理由は?

プリンが固まらないのは温度と希釈割合が原因です。

プリン(カスタードプリン)には「卵の加熱により凝固する性質」が利用されています。卵が熱変性を受ける温度は60~80℃程度になりますので、80℃を大きく下回れば固まりませんし、大きく上回ればなめらかさのないプリンになります。

また、卵の凝固温度は卵濃度や砂糖濃度にも影響を受けますのでレシピにより固まりにくいこともあります。

プリンが固まる温度は?

プリンが固まる温度は?

プリンは卵の熱凝固を利用して固めています。

卵には60~80℃程度(卵白は60~80℃程度、卵黄は65~75℃程度)で固まるという性質があります。そのために中心温度が80℃前後になるような加熱をすることにより、なめらかで分離液量の少ないプリンができます。

温度は高すぎても低すぎても良くありません。

温度が高すぎる(85℃以上にする)と溶存気体が気化することにより気泡ができてしまいますし、さらに高くなる(95℃以上になる)とたんぱく質と水分の分離が大きくなるためにボソボソとした食感のプリンになってしまいます。

反対に温度が低すぎると流動性のある固まらないプリンになります。

加熱方法と時間の違いは?

加熱方法と時間の違いは?

加熱方法と時間には注意が必要です。

たとえば蒸し器で作る場合には「90℃12分」という温度と時間がひとつの基準になっています。これによって中心部が78℃前後となり理想的な固さのプリンになります。しかし同じ条件で湯煎をすると火が入りすぎてしまいます。

これは液体(水)と気体(蒸気)とでは熱伝導率や熱伝達率が異なるためです。

物質名 熱伝導率【W/(m2・K)】
水(0℃) 0.56
水蒸気(0℃) 0.016

また、温度が変わると加熱時間も変わります。

蒸し器でプリンを作る場合の加熱条件は「90℃12分」が基準になりますが、95℃であれば7分後には中心温度が78℃になり、85℃では36分後には中心温度が78℃になることが確認されています。(※卵濃度20%、試料温度20℃)

少しの温度差が仕上がりに影響しますので、最終的には金串を挿すなどして確認する必要があります。

卵濃度による違いは?

卵濃度による違いは?

卵濃度はプリンの硬さに影響します。

プリン(カスタードプリン)は80℃前後で固まります。しかし同じ温度で加熱をしたとしても、卵濃度50%前後(卵豆腐など)と卵濃度30%前後(カスタードプリンなど)と卵濃度25%前後(茶碗蒸しなど)では違っていて当たり前です。

以下のように変化します。

卵濃度 凝固温度
20% 75℃前後
30% 74℃前後
50% 72℃前後

希釈するほどに固まりにくくなるということです。

また、凝固温度は加熱速度によっても変化します。卵(たんぱく質)の熱凝固には「加熱速度が緩やかだと凝固温度が低くなる」という特徴があります。これはゆっくり加熱することによりたんぱく質のアミノ鎖がゆるく結合するようになるためです。

そのために低温調理器を使うと(驚くほどに)なめらかな仕上がりになります。

砂糖濃度による違いは?

砂糖濃度による違いは?

砂糖には熱凝固を遅らせる働きがあります。

これは砂糖(ショ糖)の持つOH基が関係しています。ショ糖はOH基を多数持つために卵のたんぱく質と水素結合をして熱変性(高次構造の変化)を遅らせます。それによって緩やかな結合となりなめらかな口当たりのプリンになります。

凝固温度は以下のように変化します。(※卵濃度30%)

砂糖濃度 凝固温度
0% 74℃前後
20% 77℃前後
40% 82℃前後

砂糖によりたんぱく質は緩く結合します。

この違いはカスタードプリンと茶碗蒸しをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。砂糖の入っているカスタードプリンは「ねっとりとした柔らかさ」になり、砂糖の入っていない茶碗蒸しは「ほどけるような柔らかさ」になります。

プリンと茶碗蒸しの違いは卵濃度だけではありません。

【まとめ】プリンが固まらない理由は?

プリンが固まらないことがあるのは温度と希釈割合が原因になっています。プリン(カスタードプリン)は卵の熱凝固を利用して固めています。卵の熱凝固温度は80℃前後となりますので、それを大幅に下回る温度では固まりません。また、熱凝固温度には卵濃度や砂糖濃度も影響してきますのでレシピの違いにより固まりにくくなることもあります。