鉄フライパンとスキレットの違いは?

鉄フライパンとスキレットの違いは熱容量にあります。

鉄フライパンは鋼鉄をプレスもしくは打ち出しで作られ、スキレットは鋳鉄(鋳造)で作られています。機械的性質に大きな違いはありませんが厚みが異なるために熱容量には大きな違いができます。これは熱容量が「比熱×質量」であるためです。

スキレットは鋳鉄(キャストアイアン)であるために重く、結果として熱容量が高くなります。

鉄フライパンとスキレットの特徴は?

鉄フライパンはプレスもしくは打ち出し、スキレットは鋳物です。

鉄フライパンは圧延鋼(熱間圧延鋼板や冷間圧延鋼板など)をプレスもしくは打ち出しで成形されますが、スキレットは溶かした鉄を鋳型に流し込んで作られます。この違いによりフライパンは2mm前後、スキレットは5mm前後の板厚になります。

この違いが熱容量の違いになります。

比較項目 鉄フライパン スキレット
熱容量
扱いやすさ
くっつきにくさ

機械的性質に大きな違いはありません。

どちらにも「熱伝導率は良くない(80.3W/(m・K))」「比熱は普通(0.44kJ/(kg・K))」「密度が高い(7.87g/cm3)」「サビやすい」などの特徴があります。このことからも鉄フライパンの扱いに慣れていればスキレットは問題なく使えますし、その逆もしかりです。

基本的に、鉄フライパンとスキレットの違いは“重さの違い“です。

鉄フライパンとスキレットの使い分けは?

熱容量の違いを考慮して使い分けます。

熱容量とは素材を加熱するために必要なエネルギー量です。温めるために使われたエネルギーは鉄フライパンやスキレットに蓄えられることになりますので、冷却時には同じ量のエネルギーが放出されることになります。

これにより、熱容量の高い調理器具は焦げつきにくく優しく火が入ります。

鉄フライパン 豚のしょうが焼きなど
スキレット 厚切りのステーキなど

扱いやすさは鉄フライパンに分があります。

スキレットは料理(特に焼きもの)を美味しくしますが、鉄フライパンのように振ることはできませんし準備や後片付けには時間がかかります。このことからも日常的に手に取ることが多くなるのは鉄フライパンになります。

どちらが優れているということはありません。

たとえば鶏のディアボラ風を作る場合、鉄のフライパンはフッ素樹脂加工のフライパンと比べれば美味しく作ることができますが、スキレットを使えば皮はパリッと身はふっくらとした本格的なお店のような仕上がりになります。

適材適所を見極めることがポイントになります。

表面の黒色の違いは?

鉄フライパンとスキレットはどちらも黒色をしています。

しかし鉄フライパンの黒色は酸化被膜(四酸化三鉄)と油膜の色であり、スキレットの黒色は樹脂塗装の色です。スキレットの樹脂塗装は次第に剥がれていきますので、いずれは鉄フライパンと同じ酸化被膜と油膜の色に落ち着いていきます。

また、日本製の鉄器の場合も基本的には同じです。

型出しされた鉄器は鉄の色(鈍い光沢のあるねずみ色)をしていますが、そのままでは錆びてしまいますので900℃ほどの高温で加熱することにより青っぽいねずみ色をした酸化被膜(四酸化三鉄)を形成させます。(※家庭で作れる酸化被膜は600℃ほどです)

さらに植物性の樹脂を塗ることで仕上げられます。

【まとめ】鉄フライパンとスキレットの違いは?

鉄フライパンとスキレットの違いは熱容量(比熱×質量)にあります。この違いによりスキレットには「食材がくっつきにくい」「温度が下がりにくいために料理の仕上がりが良くなる」などのメリットがあります。しかし準備や後片付けの労力が大きくなるために日常的な調理には鉄フライパンが選ばれることが多くなります。このことからも手間と料理の出来を考慮して上手に使い分けることがポイントになります。