この記事は約 4 分で読めます。
こんにちは、めしラボです。
アルミニウム製の雪平鍋には「アルミ素地・アルマイト加工・ノンスティック加工」の3パターンがあります。多くの雪平鍋はアルマイト加工されていますので黒ずみ(変色)の心配はありませんが、アルミ素地の雪平鍋の場合には注意が必要です。
アルミ素地の雪平鍋は、正しく使用していても次第に黒ずんでいきます。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 雪平鍋(もしくはやっとこ鍋)の黒ずみを落としたい。
- アルミニウムを黒ずみにくくするには?
- アルマイト加工との違いは?
雪平鍋の黒ずみは表面を溶かす(または磨く)ことで落とします。
アルミニウムは変色します。これはアルミニウムが水分と反応すると白色の水酸化アルミニウムになり、水酸化アルミニウムが微量物質(ミネラル)と反応すると黒色に変色してしまうためです。健康面への害はりませんが鍋へのダメージになることがあります。
このことからも黒ずみを落として(再び)変色してしまうのを遅らせるためには皮膜を形成させておく必要があります。
スポンサーリンク
アルマイトと非アルマイトの違いは?
黒ずみの落とし方は鍋により異なります。
現在、多くの雪平鍋にはアルマイト加工(陽極酸化処理)が施されています。アルマイトとはアルミニウムを硫酸などの電解質溶液に浸けて陽極の電流を流すことにより強制的に厚い酸化皮膜を形成させる加工のことです。
これにより変色や腐食の進行を防げるようになります。
アルマイト加工の雪平鍋の場合には無理に黒ずみを落とす必要はありません。黒ずみを落とすために強くこすったり酸に浸けたりしてしまうとアルマイト加工が取り除かれてしまいアルミニウムの地が出てしまう可能性があります。
アルマイトが変色しても皮膜が維持されている限りは孔食(ピンホール)などの腐食が進むことはありませんのでそのまま使い続けても大丈夫です。
黒ずみの落とし方は?
黒ずみの落とし方には大きく2種類があります。
酢水やレモン水を煮立たせて「酸により表面を溶かす方法」と、スチールウールなどを使って「物理的に黒ずみを落とす方法」です。一般家庭では前者の方法が好まれ、厨房などでは後者の方法が好まれる傾向があります。
メーカー側では前者の方法を推奨していますが、短時間で結果を得られるのは後者です。
個人的にはスチールウールを使うことが多いです。その理由としては「酢水、レモン水、クエン酸水などを煮立たせても思うように黒ずみが取れないことがある」ことや「スチールウールやクレンザーを使った方が短時間で落とせる」などがあります。
ちなみに、研磨力は「クリームクレンザー<クレンザー<スチールウール」の順になります。
再び変色してしまうのを防ぐには?
黒ずみを落とせましたら皮膜を形成させます。
アルミニウムは皮膜(不動態皮膜)により安定させる必要があります。アルマイト加工が理想ではありますが、家庭では現実的でないために「自然酸化皮膜」や「米のとぎ汁などによる簡易的な皮膜」を利用することになります。
以下は、簡易的な皮膜形成のやり方です。
米のとぎ汁を10分以上煮立たせる
米のとぎ汁を捨てて優しく洗う
水分を拭き取って完全に乾かす
できる限り乾いた状態にしておく
以上が簡易的な皮膜の作り方です。
アルミニウムの酸化皮膜は自然酸化によっても形成されますが長期間放置しておく必要があるために使用頻度の高い調理道具の場合には米のとぎ汁を煮立たせる方法が好まれています。米のとぎ汁がない場合には米をひとつかみ加えても大丈夫です。
また大根の下茹でなどに使いながら皮膜を作っていく方法もあります。
まとめ・雪平鍋の黒ずみを落とすには?
アルミ素地の調理鍋は変色します。
黒ずみを落とす方法には「酢水やレモン水を煮立たせる方法」や「クレンザーやスチールウールで磨く方法」などがあり、メーカーが推奨しているのは前者です。しかし手間のかからないのは後者の方法ですので、厨房などでは後者の方法が選ばれます。
黒ずみを落とした後は米のとぎ汁を煮立たせるなどして皮膜を作っておくことで黒ずみにくくなります。
おすすめの関連アイテム
和の職人 深型ゆきひら鍋 18cm(谷口金属工業)
- 材質:
- アルミニウム(アルマイト)
- 板厚:
- 2.2mm
- 重量:
- 0.44kg
標準的な雪平鍋です。
アルマイト加工が施されているので変色しにくく耐食性に優れています。アルマイト加工は長期の使用により傷んできますが、それ以降はボンスターで磨くなどして一般的なアルミ鍋のように使用できます。交換用のハンドルもラインナップされているので安心です。
管理人のレビュー
10年近く使用していますが不満はありません。「蓋を使えない」「料理を入れたままにできない」などを欠点としてあげる方もいますが、これらはこの製品の問題ではなくアルミの雪平鍋全般に言えることですので欠点だとは思っていません。
業務用 TKG 雪平鍋 18cm(遠藤商事)
- 材質:
- アルミニウム
- 板厚:
- 2.6mm
- 重量:
- 530g
ステンレスのハンドルの付いた雪平鍋です。
多くの雪平鍋はハンドルが木製です。そのため「炒め物や揚げ物などによりハンドルが傷む(低温炭化してしまう)ことがある」などの問題がありますが、ハンドルがステンレスであれば気兼ねなく使用することができます。
管理人のレビュー
次に買い替えるとすればこのタイプだと考えています。雪平鍋は食材の下ごしらえに利用されることの多い鍋ですが、きんぴらなどのようなちょっとした炒め物にも重宝されます。標準的な雪平鍋よりもかなりの厚板(t2.6)ですので、料理の仕上がりの面でも期待できます。
DON矢床鍋 18cm(アカオアルミ)
- 材質:
- アルミニウム
- 板厚:
- 3.0mm
- 重量:
- 480g
やっとこ鍋はハンドルのない雪平鍋です。
ハンドルがないことにより炒め物や揚げ物をしても木製ハンドルの低温炭化を心配する必要はありませんし、注ぎ口もないために蓋がきれいにはまります。また比較的安価に厚板(t3.0)のメリットを享受することができます。
管理人のレビュー
一般家庭では馴染みのないやっとこ鍋ですが、ハンドルがないことにより「3口コンロをフルに使っても邪魔になりにくい」「洗いやすいので清潔に管理できる」「重ねて収納することができる」などのメリットがあります。個人的には高頻度で使用しています。
厚手サワラ木蓋 15cm用(雅うるし工芸)
- 材質:
- サワラ材
- 厚さ:
- 約15mm
- 重量:
- 125g
サワラ材の落し蓋です。
木の落し蓋には「煮汁がまわるので味ムラができにくくなる」「食材を押さえつけることで煮崩れしにくくなる」などの効果があります。サワラ材には「吸湿性と放湿性に優れていて水分による変形が少ない」という性質があります。
管理人のレビュー
家庭での落し蓋には紙蓋を利用される方が多いですが、木の落し蓋のような重さがないために食材が踊って煮崩れしてしまうことがあります。各サイズをそろえる必要があるというデメリットはあるものの、そろえる価値はあります。
業務用 ヤットコ鋏 ステンレス(遠藤商事)
- 材質:
- ステンレス
- 長さ:
- 229mm
- 重量:
- 約254 g
ステンレスのやっとこ鋏です。
やっとこ鋏はやっとこ鍋をつかむための道具ですが、その他にも「食材を入れたザルをつかんで湯通しをする」「オーブンや魚焼きグリルからグリルプレートの出し入れをする」などにも使えます。また雪平鍋のハンドルが傷んだ場合にもおすすめできます。
管理人のレビュー
やっとこ鋏には鉄製とステンレス製がありますが、特別な理由がなければステンレス製のものをおすすめします。使用頻度が高く水に濡れることの多いやっとこ鋏は、手入れを怠るとすぐにサビてしまいます。
ガラス蓋 18cm(和平フレイズ)
- 材質:
- 強化ガラス
- 厚さ:
- 全面物理強化ガラス4.0mm
- 重さ:
- 0.35kg
一般的なガラス蓋です。
多くの雪平鍋には蓋を使えません。使える場合であってもハンドルの取り付け部分と注ぎ口部分に隙間が空いてしまいます。しかしやっとこ鍋の場合には一般的なガラス蓋を使用できますので、調理により使い分けられると便利です。
管理人のレビュー
アルミの雪平鍋には料理を入れたままにすることができません。しかし少量の蒸し物や保温をしたい場合にはガラス蓋があると便利なこともあります。このことからもやっとこ鍋を利用している場合にはガラス蓋があると料理の幅が広がります。