鉄フライパンのメリットとデメリットは?

鉄フライパンにもメリットとデメリットがあります。

まれに「フッ素樹脂加工(ノンスティック加工)のフライパンを捨てて鉄フライパンに切り替えた」といったことを聞くこともありますが、フッ素樹脂加工のフライパンと鉄のフライパンとでは得意とする料理が異なりますので、完全に切り替えてしまうと後悔する可能性があります。

どちらか一方にするのであれば汎用性の高いフッ素樹脂加工のフライパンをおすすめします。

鉄フライパンのメリットは?

鉄フライパンのメリットは?

鉄フライパンは料理を美味しくします。

鉄フライパンには「熱容量が高くて熱伝導率も(ステンレスほどは)悪くない」という特徴があります。そのために短時間で食材の表面を焼き固めることができて外はカリッと中はふっくらのような加熱調理が可能になります。

料理が美味しくなるのは調理温度が下がりにくいためです。

物質名 熱伝導率
W/(m・K)
比熱
kJ/(kg・K)
密度
g/cm3
398.0 0.39 8.96
アルミニウム 237.0 0.91 2.7
80.3 0.44 7.87
ステンレス
SUS405
27.0 0.46 7.9

熱容量は「比熱×質量」により求められます。

また、フッ素樹脂加工(ノンスティック加工)のように表面コートが剥がれてしまうこともありませんので、くっつきやすくなっても何度でもリセットすることができます。一般家庭での使用頻度であれば一生モノになるフライパンと言っても過言ではありません。

使い方に多少のコツはいりますが、さほど難しいことではありません。

鉄フライパンのデメリットは?

鉄フライパンのデメリットは?

鉄フライパンでトマトを調理すると料理が鉄臭くなります。

これは鉄がトマトの酸により溶かされている(イオン化されている)ためであり、トマトの他にはお酢、ワイン、コーラ、ビールなどによっても料理が鉄臭くなることがあります。また、鉄が溶かされるということは油膜も剥がれてしまいますので食材がくっつきやすくなります。

このことからも鉄フライパンは酸を含む料理全般が苦手です。

ちなみに調理道具に用いられることの多い金属のイオン化傾向は「アルミニウム(Al)>鉄(Fe)>銅(Cu)」の順になりますが、アルミニウムは空気と触れることにより酸化皮膜を形成するために鉄のような激しいイオン化は起こりにくくなっています。

アルミフライパンでトマトの調理ができるのは酸化皮膜が形成されやすいためです。

得意な料理と苦手な料理は?

得意な料理と苦手な料理は?

鉄フライパンは万能ではありません。

前項でも説明した通り酸を含む食材(トマトなど)は鉄を溶かしてしまう(イオン化させてしまう)ために料理が鉄臭くなりますし、鉄フライパンは油膜と油によりくっつく(食材の凝着)を防いでいますので多少ではありますが油の使用量は多くなります。

また、加熱法による得意不得意もあります。

たとえば鉄フライパンは熱容量が高いために「焼く」「揚げる」などは得意ですが、油膜へのダメージとなるために「煮る」「茹でる」などは不得意です。「炒める」に関してはフライパンの重さがネックになる可能性がありますのでどちらとも言えません。

重いフライパンを扱えるのであれば熱容量が高い(蓄えられる熱エネルギーが大きい)ために家庭の火力であっても炒め物は格段に美味しくなります。

【まとめ】鉄フライパンのメリットとデメリットは?

鉄フライパンには「熱容量が高いために食材による温度の低下が起こりにくい」「表面加工がないためにダメになることがない」などのメリットがあります。しかし鉄は酸に弱い素材ですので酸性食材(トマト、お酢、ワイン、コーラなど)を調理すると鉄が溶けだして(イオン化して)料理が鉄臭くなってしまうことがあります。そのため鉄フライパンはフッ素樹脂加工(ノンスティック加工)のフライパンなどとの使い分けが必要になります。