雪平鍋の黒ずみ原因は?

雪平鍋は腐食により変色します。

アルミニウムは両性金属と呼ばれる酸と塩基(アルカリ)の両方に反応してしまう素材です。そのために酸性を示す素材(梅干しやトマトなど)には溶けますし、塩基性を示す素材(卵殻やこんにゃくなど)によっても腐食を進行させてしまいます。

アルミニウムの変色(白色化や黒色化)は、酸化皮膜(自然酸化皮膜やアルマイト加工による酸化被膜など)を破られることがきっかけになっています。

アルミニウムが変色する仕組みは?

アルミニウムが変色する仕組みは?

雪平鍋には2種類の変色があります。

アルミニウムには白い変色と黒い変色があります。白い汚れは「アルミニウムと水分が反応して形成された水酸化アルミニウムの色」であり、黒ずみは「水酸化アルミニウムと水分中の微量物質(ミネラル)が反応したことによる色」です。

本来、アルミ鍋(アルマイト加工の鍋)は変色しません。

しかしアルマイト(陽極酸化)処理をされていないアルミ鍋やアルマイトが剥離されてしまっているアルミ鍋の場合には食品中の反応性成分(酸、アルカリ、卵を調理することで発生する硫化水素など)によりアルミニウム酸化物や水酸化物が生じてしまいます。

変色に人体への害はありませんが、雪平鍋へのダメージとなるためにお酢やスチールウールなどを使って除去されます。

補足説明

画像の雪平鍋はアルマイト加工されているアルミ鍋ですが、長年使い続けているうちに汚れが落ちにくくなってしまったためにスチールウールで磨いてしまっています。そのために自然酸化被膜のアルミ鍋と同じように変色してしまいます。

雪平鍋の変色を除去する方法は?

雪平鍋の変色を除去する方法は?

雪平鍋の変色は洗剤では落とせません。

これは変色の原因がアルミニウムの腐食(アルミニウムが水や微量物質と反応したことによる変色)であるためであり、白色化や黒色化の変色を除去するためには表面を溶かすか表面を削り落とすしかないためです。

そのため、「酸性食材を煮立たせる」「スチールウールで磨く」などの方法で除去します。

酸性食材を煮立たせる 酸により表面を溶かす
スチールウールで磨く 物理的に削り落とす

一般的には前者の方法が推奨されています。

しかし個人的には後者の方法を選ぶことが多く、その理由が「お酢やクエン酸を溶かした水溶液を煮立たせても思うように黒ずみが取れない」「スチールウールやクレンザーを使って落とす方が短時間でできて仕上がりも良い」ためです。

ちなみに研磨力は「クリームクレンザー<クレンザー<スチールウール(ボンスター)」の順になります。

変色を防ぐためには酸化被膜を形成させる?

変色を防ぐためには酸化被膜を形成させる?

一般的な雪平鍋はアルマイト加工されています。

アルマイト加工(陽極酸化処理)とは、硫酸などの電解質溶液中でアルミニウム製品を陽極にして電流を流すことで(表面を強制的に酸化させることで)厚い酸化被膜を作り出す処理のことです。これにより腐食(変色)は起こらなくなります。

しかし雪平鍋が変色するということはアルマイトではない(もしくは剥離されてしまっている)ということになります。

酸化被膜 被膜の特徴
アルマイト
(陽極酸化被膜)
強制的な酸化による厚い皮膜
自然酸化被膜 自然に形成される薄い皮膜
米ぬかやとぎ汁を煮立たせる アルマイトに似た簡易的な皮膜

アルミニウムは酸化被膜により守られます。

磨いた後の雪平鍋(アルミ鍋)はとても腐食しやすい状態にありますので、「乾いた状態でしばらく放置しておく(自然酸化被膜の形成)」か「米ぬかやとぎ汁を15分ほど煮立たせる(アルマイトに似た簡易的な皮膜の形成)」のいずれかの方法が取られます。

多くの場合、前者の方法には時間がかかりますので後者の方法が推奨されています。

【まとめ】雪平鍋の黒ずみ原因は?

雪平鍋(アルミ鍋)は変色してしまうことのある調理道具です。現在販売されている雪平鍋の大部分にはアルマイト加工(陽極酸化処理)が施されていますので変色することはありませんが、アルマイト加工されていない雪平鍋やアルマイト加工が削り取られてしまっている雪平鍋の場合には白色化や黒色化の変色が起こりやすくなります。白色化は「アルミニウムと水分が反応して形成された水酸化アルミニウムの変色」であり、黒色化は「水酸化アルミニウムと水分中の微量物質が反応したことによる変色」です。